KIDSの民事裁判所?
『KIDSの民事裁判所!』は、誰でも簡単に裁判のルールを守りながら「民事裁判」を体験することができる教材です。
架空の事件に対して<原告弁護団>・<被告弁護団>・<裁判官>の立場に分かれ、法律を根拠にそれぞれの立場から議論することで、ものごとを論理的に考えたり、人を説得する力を磨けるゲームです。
教材のポイント
パソコン/タブレット1台でOK!
eコンテンツ教材『KIDSの民事裁判所!』は、 タブレットやノートパソコン1台で、誰でも手軽に民事裁判を体験することができます。
裁判のルールがわかる
アニメつき!
裁判のルールや法律について学べるアニメ教材「おしゃべり森のどうぶつたち」も併録されていますので、裁判や法律に詳しくない方でも安心して取り組んでいただくことができます。
楽しめる世界観!
舞台は主人公マコが転生した異世界、オントーキングダム。子どもたちはオントーキングダムの一員として民事裁判を行い、さまざまなモンスター間で起こるモメごとを解決していきます。
*この教材は、弁護士監修の元、開発されています。
ルール
チームに分かれ、それぞれ「原告弁護団」「被告弁護団」「裁判官」の立場を決める。
チームのなかで役割を決める。
準備書面作戦タイムで、自分のチームの意見を考える。
ターンごとに陳述とジャッジを行う。
裁判官が判決をする。
民事裁判をやってみて、何が難しかったか、他の人の主張はどうだったかなど振り返る。
なぜ「民事裁判」をやるのか?
日本国憲法14条1項において、すべて国民は法の下に平等であることが規定されています。おたがいの基本的人権を尊重しあうためには、利害関係の調整は法律に則って行うという考え方を身につける必要があり、「司法参加」の重要性が叫ばれています。
人はそれぞれ違います。よって、価値観もバラバラで、利害が衝突するのは当たり前ですし、紛争が起こるのも当たり前です。ですので、紛争を避けるのではなく、お互いの意見を主張し合って、紛争を社会の財産にしていくことが重要です。その営みとして、「民事裁判」が挙げられます。
対象年齢である小学4年生〜小学6年生の子どもたちに、「民事裁判」を体験してもらうことで、今後生きていく上で自分の基本的人権をどう守ればいいか、他者の基本的人権を侵害するのをどう避けていけばいいかを学んでもらうことを当教材の目的としています。
監修者からのメッセージ
チュートリアル動画
実際にやった映像を見ながら、活動の流れを学んでみましょう。
利用の流れ
利用にあたって
- 対象者年齢 10~12歳(小学4年生~小学6年生)
- 参加可能人数 5〜13人
用意するもの
- パソコンまたはタブレット教材「KIDSの民事裁判所!」をダウンロードしたパソコンまたはタブレット1台(※動作環境については、ダウンロードページをご覧ください。)
- 配布プリントディベート中に子どもたちが記入する作戦シート・スコアシート・フローシートを印刷します。付録教材からダウンロードできます
ダウンロードして準備しよう!
1.教材をダウンロード
メニューバーの右上、もしくはこのページの一番下のボタンからダウンロードページに移動し、ノートパソコンもしくはタブレットに教材をダウンロードします。 |
2.事前設定
教材の最初では、各チームの人数やジャッジを誰がするか、観せる動画などの設定を行います。設定画面を印刷することもできます。 |
3.開催
参加者が集まったら、早速KIDSの民事裁判所!をスタートしましょう!画面の指示に従って、教材を操作・進行してください。子どもたちが自ら操作する場合には、指導者はその支援を行います。 |
教材本体
資料の準備
必要な資料をダウンロードして印刷します。
配慮のポイントなどをおさえた指導者マニュアルやQ&A、また、スコアシートなどの子どもたちを支援するワークシートなどがあり、適宜使用できます。
各PDF資料
- 指導者マニュアル
- Q&A
- 付録教材
1)事件のあらまし訴状・答弁書
2)法典
3)ジャッジシート
4)準備書面(原告用)
5)準備書面(被告用)
Q&A
裁判を進めるときの基本姿勢は?
たとえ対立していたとしても、あくまで代理人として、第三者を交えた「対話の場」に参加し、裁判官と相手に伝えて事件を解決するという意識が大切です。口喧嘩が強いほうが勝つのではない、というイメージですね。KIDSの民事裁判所!では、事件ファイルのあらましにそって原告側・被告側に分かれて陳述や質疑応答をしてゆき、最後に裁判官の判決言い渡し、までを通して体験できるようになっています。
陳述のアイデアの出し方を教えてほしい。
まずは事件ファイルをよく読み、事実関係や、互いの言い分、その理由を把握しましょう。その上で、訴状・答弁書にある内容について①法律に則っているか ②社会通念上そうだと思うか、というふたつのポイントを念頭においてアイデアを出してみましょう。ダウンロード資料の陳述は、子どもたちが代理人として、裁判官へ自分たちの考えを訴えるものです。相手を攻撃したり、故意に傷つけるのが目的ではありませんので注意してください。
また、自分のチームの主張だけでなく、「相手方だったらどんな主張をしてきそうか」を想像してみましょう。具体的なアイデアの出し方、陳述のしかたについて、フェーズごとにポイントをまとめたアニメ教材を観てください。
準備書面、どのチームに何を配ったらいいですか?
各チームに配布するのは、共通の資料(2種類)と、チームごとのワークシート(1種類)の合計3種類です。
- 資料①:事件ファイル(共通)
- 資料②:法典(共通)
- 原告専用ワークシート:準備書面(原告)
- 被告専用ワークシート:準備書面(被告)
- 裁判官専用ワークシート:ジャッジシート
陳述が論理的なものではなく、感情をあらわにした主張や反論、個人攻撃だったらどうしたらいい?
前述のとおり、裁判での議論は、「法律に則っているかどうか」がポイントです。もしそこから大きく外れるようであれば、裁判官もしくは指導者が(裁判所書記官としてなど、できれば世界観の中の登場人物になりきって)注意をするようにしてください。陳述中に現実世界の指導者として割って入るのは、意見の表出および裁判の流れを一時中断することになるため、その場合は「感想ふり返り」の際に指導するのが適切と考えられます。
陳述、ジャッジなどの話し合いが、毎回制限時間切れになっているのに終わらない。どうしたらいいですか?
陳述は基本原告・被告チームが交互に行うため、次のスピーチに向けて準備をしておくなどして、制限時間を守るようにしてください。どうしても話が盛り上がってしまうなど、時間切れになりそうなときは、指導者が画面のタイマーを見ながら「あと○分だよ」と声をかけるようにしてください。時間を区切って議論する、は大人になる上で必要な、とても重要なスキルです。
陳述、振り返りなどの話し合いがうまくいっていないような気がする、そんな場合の対処や声かけは?
まずは、ルールが分からなかったところがないか、チーム内で勘違いをしていないかを確認しましょう。あれば、大人に聞くように言いましょう。
- 事件のあらましが理解できていない場合
事件ファイルを一緒に読んでみる。大人が原告・被告役を演じて見せる。 - 陳述で何を話していいかわからない場合
各ターンで話すことが書かれている準備書面(ワークシート)を見直す。 - 振り返り感想タイムで何を話していいかわからない場合
様子を見て、あまりに停滞しているようなら、次のような声かけをするのもいいかもしれません。
問いかけ例:
「自分に一番近いと思った意見はどれですか。」
「一番納得した意見はどれですか。」
「自分の意見と違った意見はありましたか?」
「自分が相手チームだったらなんて言ったと思いますか?」
「あなたが新聞記者になって記事にのせるとしたらどんなタイトルにしますか?」
など、裁判をふりかえる声かけをしてみましょう。